デジファブ技術で共創のモノづくりを

働き方は人の数だけある
でも、オフィス家具はどうだろう

作り手と使い手が一緒に
モノづくりに取り組めたなら
きっと「働く」はもっと豊かになるはずだ

オンリーワンの
モノづくり

働き方の多様化やハイブリッドワークの広まりを受け、これからのオフィスを考えるうえで取り組んでいるのが、一人ひとりの「個性」を尊重した場所づくりだ。そこで着目したのが、デジタルファブリケーションという技術。アイデアを設計図に落とし込み、データをデジタル木材加工機に送信すれば、機械が自動でデザインを具現化してくれるというもの。

最大の魅力は、コストのかかる金型や大量の資材を必要とせず、オンリーワンのモノづくりが可能となること。また、デザインや制作の敷居が低く、ユーザーの声を反映しやすいのもメリットだ。そこで、作り手と使い手が一緒にモノづくりをする「共創」という考え方も視野に入れ、プロジェクトを進めていった。

実験の拠点となる
ラボを開設

2022年11月には、デジタル木材加工機を導入したスタジオ〈(0,0,0)studio genten(スタジオゲンテン)〉を、THE CAMPUS内に開設。デジタルファブリケーション技術を活用したオリジナルの内装空間やアート、家具を提案するサービスの模索がはじまった。

既存のイスやテーブルのパーツに、デジタル木材加工機でつくられた木材を組み合わせるのも、アイデアのひとつ。働く場に求める世界観を具現化すべく、オブジェやアート作品の製作にも挑戦している。

「デジタルファブリケーション技術を導入した事業の立ち上げはコクヨにとってはじめての試みです。専門的なノウハウや加工・製作のプラットフォームを持つ専門企業とタッグを組むことで、コクヨが持つオフィス空間の提案やものづくり技術を高めていきたいと考えています」。

誰でも参加できる
開かれたラボへ

〈(0,0,0)studio genten(スタジオゲンテン)〉を、誰もが参加できるモノづくりのラボにしたいという思いから、社内メンバーのスキル向上を目的に、専門企業を招いた研修やワークショップを行っている。

テーマをもとに持ち寄ったアイデアをデザインに反映し、リアルタイムで形にして参加者と共有することで、モノづくりはもっと身近なものになるはずだ。そんな視点の変化を、チームを超えて社内、そして社外へと伝播させていこうと取り組んでいる。

「参加者が増えれば視点も広がり、拾いきれていなかったニーズも見つかるかもしれません。目指すのは、作り手と使い手の垣根がなく、ユーザーやパートナーと一緒にモノづくりができる、『共創』する未来。誰もが参加できる開かれたラボをつくることは、多様化する働き方を支えるコクヨの新たな挑戦なのです」。

ワークプレイス事業本部
スペースソリューション本部

小林 智行

専門企業と協力し日本各地に製造拠点を設けることができれば、東京からデザインデータを送って現地で製造することも可能になります。資材を大きく移動する必要がなく、地産地消のような生産方法が実現できるんです。また、使う木材に間伐材を使うことで、サステナブルな取り組みにもなりうると考えています。国産木材を積極的に活用して林業の活性化につなげるなど、持続可能な利用環境をつくっていくことで、SDGsへの貢献も期待しています。
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