日本人の座る時間は世界最長。
社会課題として取り上げられた
「座りすぎ問題」と真剣に向き合い
「座る」の概念を覆す
未来のイスづくりを紐解く。
イスの永遠の課題
「座ると疲れる」を
なくしたい
コクヨにとってイスは力を入れて開発してきたプロダクトのひとつ。オフィス向けから家庭用までさまざまなイスをつくってきたが、よりよい座り心地への追求は終わることがない。30年以上にわたりイスのデザインを手掛けてきたデザイナーの木下洋二郎は、もっと革新的なイスを設計したいと開発に取り組んでいた。最大の課題は、座ることによる「疲れ」の解消だ。

そこで木下はイスに座るとき、体を同じ姿勢で固定するのではなく、体にあわせて自由自在に動く構造にすることで、長時間座ったときの疲れがなくなるのではと考えた。「イスの座面を動かしてみよう」。ヒトではなくイスを動かすという逆転の発想から開発がはじまった。
カタチにならない
もどかしさ
「動く座面」というアイデアに自信はあったが、答えとなるプロトタイプがつくれない。「座り心地がよくない」「安心して使える機構が実現できない」といった、大きな壁にぶつかってしまった。着想からすでに5年が経過していたものの、製品化の目処はたたずもどかしさがつのっていく。

小さな気づきが
ターニングポイントに
何か根本的な視点を見逃しているはずだ。しかし糸口は見えない。そんななかプロトタイプに座って楽しそうに遊んでいたコクヨ社員の姿を目にする。「これだ!」。これまでは座ることでのマイナスをいかに減らせるかばかりを考えていたが、「楽しくするプラスの効果も生み出せる」という可能性に気づく。
座ることは豊かで、よりクリエイティブなものになりうるのではないだろうか。その気づきは確信に変わり、プロジェクトは一気に進んでいく。
究極の「座る」を
追求しつづける
そうして誕生したのが、座面が自由自在に動き、バランスボールのような座り心地を提供するイス〈ing〉〈ingLIFE〉。開発にかけた歳月は12年。実験のためにつくったプロトタイプは数え切れないほど。

木下は、幾度となく頓挫しながらもマーケティングや開発、製造といったチームを巻き込み、製品化にこぎつけた。「これだからイスづくりはやめられない」。開発の面白さ、奥深さを知る木下の探求はこれからもつづいていく。

座面が動くことで上半身の負荷を軽減する〈ing〉と〈ingLIFE〉。

座面の耐久テストは100万回にもおよぶ負荷をかけて行う。

組み上がったプロトタイプを入念にチェック。納得いかなければやり直し。

ワークプレイス事業本部 ものづくり本部
木下 洋二郎
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