デジタル時代にこそ輝く書く体験

スマートフォンやPCは便利だけれど
紙の上のペン先に
神経を集中させる時間も大切だ

書く行為の価値を教えてくれる
「紙」に込めた
懐かしくも新しい可能性について

ノートメーカーの
本気を見せたい

ノートはコクヨを代表する製品のひとつ。ノート開発部の椿裕尊は、「書く」ことの楽しさ、喜びは、まだまだ追求できるのではと考えていた。「書くことに向き合えるノートがあってもいい。『感性価値』を提供できるノートをつくれないだろうか」。長年にわたってノートを手がけてきたコクヨにとって、新たな挑戦がはじまった。

「感性価値」とは書くことで得られる喜びのこと。椿は文具としての機能性や利便性に加え、「書く」行為そのものに魅力があることを知っていた。全ての人に受け入れてもらうことが難しくても、「書く」を純粋に追求する人たちに愛されるノートを目指したい。大切なのは書き心地だ。ノートの要である紙の開発に取り掛かった。

「書き心地」を
数値化したい

紙の開発段階での課題は、筆記の軽さや重さ、紙質のツルツルやザラザラという人間の感覚的な指標をいかに正しく製紙メーカーに伝えられるかどうか。試作品に対して「ツルツルを抑えたい」と言っても、人それぞれ捉え方は異なり、うまくいかない。

そこで導入したのが紙の仕様を客観的に数値化できる測定器だ。できることはなんでも試す。感覚を大事にしながらも、科学的な知見を取り入れることで、頭に思い描く究極の紙を具現化できるのではと考えた。

究極の書き心地を追求した
「紙」

そうして完成したのが、コクヨが誇るフラッグシップノート〈ペルパネプ〉。3種類の紙、それぞれに個性的な書き心地をもたらせた。書くことの楽しさ、喜びを体感できる理想のノートがついに誕生した。

書き殴ったアイデアメモから伝わる高揚感、思いを込めた筆跡からにじむ温かみ、何気ないメモから思い出す記憶。誰よりも書くことが好きな椿は、紙とペンだからこそ得られる「感性価値」を伝えていくため、日々ノートの開発に向き合いつづける。

グローバルステーショナリー事業本部
ものづくり第1本部

椿裕尊

〈ペルパネプ〉の開発でとくに力を入れたのが、万年筆ユーザーに向けた用紙づくりでした。試作品をなんども製紙メーカーにつくってもらったのですが、インクの滲み具合やペン先の感覚など、ひとつの指標を変えるとそれ以外のバランスが崩れてしまうことも。なかなか思い通りにいかないこともありましたが、自分自身が最初のテスターという緊張感と誇りを楽しみながら邁進したプロジェクトでした。
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